
小川内龍夫の反物買取りました
今回いわの美術では、50年以上久留米絣を作り続けている小川内龍夫の反物をお買取り致しました。
小川内龍夫は、18歳の頃から50年以上久留米絣の製作を行っているベテラン職人です。
小川内龍夫の仕事は、工場から来た糸に天然の藍を使い染めていくという作業で、藍染の美しい色合いが左右される大事な工程となっています。
久留米絣を染める藍は天然の物で色合いが固定されている訳ではないので、小川内龍夫は毎日糸を染める前にかき混ぜて舐めて変化を見極めているそうです。
この色の物を舐めるというのはちょっと勇気がいりそうな事ですが、そこはやはり職人さんだから出来る事だと感心してしまいます。
また、糸も1回では染まらないので色の濃さで分けられた藍に糸を浸して絞り地面に叩きつけるという作業を30回以上も繰り返します。
濡れた糸はとても重くなり若い人でも苦労する作業ですが、これを70歳以上の小川内龍夫がするととてつもない重労働です。
しかし、重労働な作業をスムーズにこなしている小川内龍夫は、まるで30代のような身のこなしで、小川内龍夫本人も「まだまだ若い人には負けられない」と言っているそうです。
昔ながらの技術や伝統を守って作る小川内龍夫の久留米絣は、繊細で素朴な美しさを放ち現在でも多くの人から人気を集めています。
久留米絣について
久留米絣の歴史は、天明8年に生まれた井上伝という一人の少女の発想から始まります。
井上伝は、あまり裕福ではなかった家を守る為小さい頃から好きだった縫い物を仕事にしようと小学校1~2年生頃から木綿織りを学び始めます。
木綿織りも板についてきた頃、ふと箪笥の中に仕舞われていた着古した藍染めを見た所、汗シミで所々白くなっていました。
そんな状態の着物を見た井上伝は、「青に白の文様はとても美しい、これを作り出す事は出来ないか」と考え研究し、後に霜降と呼ばれる縦と横に異なる糸を用いて作った織物を発明しました。この井上伝が考えた織物が現在の久留米絣の原点と言われています。
久留米絣が出来るまでには、30もの工程が必要で日数にすると3ヶ月近くかかるそうです。
また、久留米絣の特徴でもある繊細な文様は、括りと染めの工程で美しさが決まります。
括りという工程では染めない部分をしっかりと括って防染して染める時には糸が解けないようにし、解く際には簡単に取れるようにする事が作業の効率化を図る為に編み出された職人技です。
染めの工程では色合いにムラが出来ないように30回以上薄い藍や濃い藍などに浸し染める作業を繰り返していきます。
美しい久留米絣は、括りと染めなどを含めた30の工程を職人1人1人が古くからの技術を受け継ぎ作っているからこそ出来る一品と言えるでしょう。
反物の買取について
いわの美術では、今回ご紹介した小川内龍夫の反物のお買取りを強化しております。
また、小川内龍夫の反物以外でも鹿児島県の特産品である大島紬や美しい黄色が特徴的な黄八丈、友禅で人間国宝に選ばれた羽田登喜男の反物など数多くお取扱いしております。
ご実家の整理中に箪笥から出てきた反物、押入れの奥深くに仕舞われていた着物などご処分をお考えの方がいらっしゃいましたら、是非いわの美術までお問い合わせ下さい。
また、弊社では着物や反物以外でもお茶道具や絵画、掛軸、置物、アンティーク品、古い時代家具、軍物、中国美術品、喫煙具、洋食器、和食器など様々なお品物をお買取りしております。
事務所移転やお引越しなどで不要になったお品物がございましたら、いわの美術までご相談頂ければ、お片付けのお手伝いをさせて頂きます。
ご相談はメールやLINE、電話でお受けしておりますので、お気軽にご相談下さい。
皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております。