夏用の帯は、着物よりも透け感が美しいものが多く、見た目にもとても爽やかです。
八寸名古屋帯や九寸名古屋帯などが夏着物にあわせられます。
☆八寸名古屋帯は、芯がないため、薄地で透け感が強い帯です。八寸の幅(約30㎝)に織られたもので、芯は入っていませんが、しっかりしており、絽綴や羅、紗献上の生地が用いられます。
八寸の絽綴の帯は、全体に絽目があり、伝統の綴織の技法で模様が織り出されている帯で、上品な雰囲気を楽しめて、大変重宝する夏帯の定番です。
目の粗さが特徴の羅の帯は、通気性に富んでいるので、見た目も着心地も涼しげなのが魅力です。カジュアル感のある夏の装いにぴったりです。
紗献上は、透け感のある舎で織られた博多献上名古屋帯のことで、紗献上の帯は、盛夏限定で楽しむ帯です。
☆九寸名古屋帯は、帯芯が使われているため、やや厚地で、帯自体には透け感がありません。両サイドを折り込んで仕立てるので、完成品の幅は八寸帯と同じになり、絽、紗、麻の生地があります。
絽は細やかな線上に並ぶように織られた透き模様(絽目)が特徴です。染めで表現される模様が多いので、柔らかで上品な雰囲気の帯です。
紗は隙間が多い生地で、帯芯とあわさることで帯芯の白が透けてみえて涼しげです。
紗の帯柄はほとんどが織りで表現されています。
麻は特有の張りのある手触りですが、暑い時期には心地よい肌触りです。ややカジュアル感のある帯です。
夏の着物は、涼しげな印象の控えめな色使いやシンプルな柄行きが多いので、それにあわせる夏用の帯は、朝顔、うちわ、金魚や花火など遊び心の効いた模様の帯をあわせることで、装いに季節感が加わります。