久保田一竹(1917~2003)

昭和から平成時代にかけて活躍された染色家です。
友禅師の小林清に師事し、大橋月皎に人物画を、北川春耕に日本画を学びました。1937年東京国立博物館で古い辻が花染めと出会い、その美しさに心惹かれます。27歳で応召し、シベリア抑留から帰国後、辻が花染めの研究に力を注ぎました。
独自の辻が花の制作研究に没頭し、60歳にして初めて納得のいく作品を完成させ、「一竹辻が花」と呼ばれる技法を発表します。
日本のみならず海外でも注目され、欧米での展覧会なども積極的に行われました。
1994年、山梨県に久保田一竹美術館が開かれ、現在も数多くの作品の展示が行われています。辻が花は絞り染の技法で、最盛期には縫い締め絞りや竹皮絞り等複雑な技も用いられました。
縫い締め防染による染色を中心に、描絵や刺繍、摺箔等の装飾が施されましたが、現存遺品数は少ないため、幻の染物とも呼ばれます。
江戸時代中期に糊で防染する友禅が普及していくと、手間のかかる辻が花は次第に衰退し、その技法も失われました。
そんな辻が花染めの美しさに魅了された久保田一竹は生涯をかけて研究を始めます。そして伝統技術の再現に加え、独自の研究を重ね、辻が花をより一層発展させることに成功しました。

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