喜多川平朗(1898~1988)

重要無形文化財「羅」「有職織物」の保持者です。
生家は400年近く織物業を営んできた西陣織の老舗俵屋です。
京都市立絵画専門学校日本画科を卒業後、1927年より父に就いて織物製織技術を学び、家業を継いで俵屋17代目となります。
同年、皇族や公家の装束を取り扱ってきた染織工芸家の高田義男の要請により、有職織物の製織を始めました。
大正から昭和にかけて正倉院資料の調査や整理が行われたことをきっかけに古典染織の研究に興味を抱きます。その後正倉院の羅の復元と模造織りに取り組み、数年かけて正倉院裂二十三種を復元させました。
織技や染色法の復元に努め、複雑な組織の羅を復元した功績は大きく、1956年重要無形文化財「羅」の保持者に認定されました。
また平安時代以降の公的な儀式や儀礼用の服飾品の制作にも関わり、有職織物の技法に精通し、1960年には重要無形文化財「有職織物」の保持者に認定されます。
有職織物とは公家の装束や調度品に用いられた絹織物のことをいいます。
儀式や年中行事の中で使われるため、色や文様、織の組織などが決められており、それに従って織り上げられています。
種類としては、綾(あや)、浮織物(うきおりもの)、二倍(ふたえ)織物、錦(にしき)、穀(こく)、紗(しゃ)などがあります。
織りで文様を表し、幾何学的な構成の繰り返しが特徴的です。
元々は奈良時代に中国の唐から伝わったもので、平安時代に和様化されました。

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