振袖
振袖
振袖は未婚女性の第一礼装として用いられ、未婚女性が着る着物の中では最も格式が高い着物とされてきました。
本来は、五つ紋をつけたものが正式な振袖とされていましたが、現在では紋は省略されている事が多いそうです。また、名前の由来は袖の袂が長かった事から振袖と呼ばれ、小振袖、中振袖、大振袖と袖の長さで三種類に分けられました。
未婚女性が身につけていた振袖ですが、成人式や花嫁衣装のお色直し、披露宴などでも幅広く用いられ、昔の成人式では主に中振袖が着られていました。
昔の女性は身長が低い人が多かった為、中振袖でも良かったのですが、現代の女性は昔に比べて平均身長が格段に伸びた事から、現在の振袖の多くは大振袖となっているそうです。
振袖の歴史
現在の華やかな振袖の元となったのは、振八つ口の開いた子供用の小袖と言われています。
なぜ、子供用の小袖は振八つ口が開いていたのかというと、子供の高い体温を逃がす為に開けられていたそうです。なので、大人の小袖には熱を逃がす振八つ口が空いていません。
実用的に作られた小袖ですが、時代の流れと共に実用的から装飾的な面が重要視され、華やかな模様が施された小袖が作られました。
振袖の袖が長くなった理由には諸説ありますが、江戸時代初期の踊り子が袖を振り愛情表現、袖に縋り哀れみをこうなどのしぐさをし、それを見た未婚の女性達が真似した事や時代の流行りなどから袖が長くなっていったと言われています。
また、袖を振るという行為は、厄払いや清めの儀式に通ずるとも考えられていて、人生の門出に身を清める為に振袖を着るとも言われています。
振袖の種類
振袖は袂の長さで3種類に分けられ、小振袖、中振袖、大振袖と分類されます。
袂の長さにより大振袖(約114センチ前後)、中振袖(約100センチ前後)、小振袖(約85センチ前後)と分類することが出来ます。
大振袖は、振袖全体に柄をあしらい、五つ紋を付けているのが正式な大振袖と呼ばれ、主に結婚式などで着用されていました。
しかし近年は、背が高い女性が多い為、成人式でも大きめの大振袖が着られ、また紋も省略されている事が多くなっています。
中振袖は、大振袖に継ぐ礼服で結婚式や成人式などの正式な場で着用し、特に結婚式では周りが黒い服装なのでとても華やかさが足されます。
昔は成人式で主に着られていたのですが、現在の女性は身長が高い方が多いので、中振袖より大振袖が着られるようになってきました。
小振袖は、大振袖や中振袖とは違い、パーティーなどに着用でき気軽に礼服を楽しむ事が出来ます。
袖丈が短く可愛らしいイメージの小振袖ですが、一般的に小振袖としての販売はしていなく、袖の長さを指定して短く仕立ててもらわなければなりません。
成人式などで1回しか着ていない振袖などございませんか?
知り合いに着る方がいないと箪笥の肥やしになるか、ゴミとして処分しなければいけません。
いわの美術では、そのような着物を、次の人に渡すお手伝いをさせていただきます。