紬

紬

紬とは紬糸で織られた絹織物で、木綿を素材とするお品物もあります。
紬は織物の中でも渋く深い味わいを持ち、着物を着る方の間ではとても好まれていました。

昔は普段着の着物として用いられていましたが、蚕の繭から1本1本糸を引き出し作り出される繊細な技術から、世界一精密な織物と言われ最近ではおしゃれ着として変化しています。

始めは少しゴワゴワしているので少し着心地に違和感を持ちますが、徐々に馴染み軽くて柔らかい着心地に変化します。

通常の着物はしっかり着付けをする事で美しさが際立ちますが、紬に関してはキッチリよりラフに着たほうがおしゃれに見え、しっかりとした着付けもいらないため、着付けが慣れていない人にとっては着やすい着物となります。

数ある着物の中で紬はカジュアルな部類に入るので、基本は正式な御茶会やパーティーなどには着ていく事が出来ません。

しかし、小物を少し変える事で雰囲気の良いレストランなどにも着ていく事が出来、一つ紋が入った色無地の紬だと正式な場にも着ていく事が出来ます。

紬の種類・素材

絹は蚕の繭から引き出されるものですが、生糸に出来ない品質の繭をつぶして真綿にし、真綿から糸を紡ぎだしたものが紬糸です。
また、紬には多くの種類があり、一般的によく知られているのは米沢紬、大島紬、結城紬、琉球紬などで、その他にもいくつもの紬が存在し、作られた場所の名前が付けられています。

紬糸は蚕の繭から1本1本引き出し手で撚りをかけるため、均一な太さにならず、玉繭から作られる糸は2本の糸が絡まったりするため節の多い糸となり、これを節糸や玉糸と呼びました。

これらの糸を使い作られた織物は、表面に小さなコブを作り鋭い光沢を放ち、独特な風合いを醸し出します。

また耐久性が非常に高く、長持ちするため父から子へと、親子何代にも渡って着繋ぐことの出来る着物となっています。

耐久性が高い紬ですが、着始めはゴワゴワして硬く着心地があまり良くない為、裕福な商人などは番頭などに一度着せて馴染ませてから着用したと言われています。

また、現在でも有名な落語家が弟子に紬を着させ馴染んだ所で取り上げたと言われています。

紬は通常の着物より織るのに手間がかかる為、現在は着物好きの人から高評価を得ている品物となりました。

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