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着物の紋と着こなし

2015.7.26

着物の紋と着こなし術

 

着物の「紋」といえば、少し前までは祝儀、不祝儀の五つ紋など、家を象徴する家紋でしたが、現在もその流れはあるものの、今の時代にあった着物の紋の着こなしがなされています。着物の紋には大きく分けて、家紋とお洒落のポイントとして好みの形のものをつける洒落紋があります。


紋の歴史は古く、平安時代に公家が目印や飾りとして牛車に好みの文様をつけたことが、始まりです。その後、調度品や衣服などに用いられるようになりました。そして、鎌倉時代~室町時代には、戦場で敵味方を区別するために、旗印や武具などに紋所が印されるようになります。そして、遠くからでもみられるように紋所は大きくなり、形もシンボリックに抽象形に変化していきました。

江戸時代には、急速に紋は発展し、現在の家紋のような形で定着していきました。江戸時代にはさらに、流行の発信元であった歌舞伎役者が、定紋を用いたことがきっかけで、町人などの庶民も紋所が広がり、江戸文化に華を添えるものとなっていきました。



紋の種類とデザインは様々で、大きく分けると、生地を染め抜いて紋の形を表した「染め抜き紋」、黒、白、金、銀、色糸などを使って刺繍で紋の形を表した「縫い紋」、別布に紋を染めて裏面を接着した「貼り付け紋」があります。

その他、輪の隅に紋を半分だけのぞかせた「のぞき紋」、まわりの輪を省いた「輪なし紋」、花鳥風月を図案化した「伊達紋」、表紋と陰紋を合わせて作った「比翼紋」、染めや刺繍の「加賀紋」などの「洒落紋」があります。


着物に紋の数は、「一つ紋」「三つ紋」「五つ紋」といって、数が決まっています。格の高さは、五つ紋が最も高く、次いで三つ紋、一つ紋の順になります。五つ紋は、背中中心、両胸、後ろ袖の五ヶ所に付け、留袖、喪服、黒振袖などに用います。


このように、従来の紋は、家を象徴するもので、特に女性にとっては、財産権を主張する意味を持つなど、重要であった時代もありましたが、近年では紋の形自体の意味も薄れてきており、紋は装いの格を上げるアイテムのひとつと捉えられています。

 

洒落紋は、お洒落感覚で用いられる紋で、家紋をアレンジしたものや、草花、自分の好きな模様をデザインしたり、選んだりして着物につけることができます。


紋の数や大きさにも決まりはなく、格の違いもないので、装飾的な紋として、鳥や兎など可愛い動物や花柄で揃えるなど、自分の好み選んで楽しむことができます。

色々な紋をつけてみたい人や、紋をつけるのを迷っている人には、貼り紋という取り外し可能な便利な紋もありますので、洒落紋は着物の背中のアクセントとして、手軽に 楽しみましょう。

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