新着情報

着物や帯の染めの種類

2015.8.7

着物や帯の染めの種類


着物や帯の生地は大きく「染め」と「織り」に分けられますが、今回は「染め」の種類についてふれてみたいと思います。

「染め」の生地は、白糸(主に生糸)を使った白生地の反物ですが、そこに色や柄などを施したものが染めの織物です。織りには表現できない柔らかい線や絵柄の輪郭が滑らかなのが特徴です。


染めの種類は、華やかな友禅染めから、絞りのような立体感のあるものまで様々です。代表的な染めをいくつか挙げてみます。


京友禅…遠目からでも映える大きな絵柄に、金や紅などの華やかな色彩といったあでやかな京都の染め織物です。模様の多くは古典柄や幾何学模様などで構成されています。


加賀友禅…藍色、黄土、草、古代紫、臙脂の加賀五彩を基調として、北陸加賀の自然の姿を美しく模様かしているのが特徴です。模様の外側を濃く、内側に薄くぼかすという技法で、葉模様などを黒の点で描く「虫食い」という独特の表現があります。


江戸小紋…「小さい模様」という意味で、江戸時代、武士の裃(かみしも)の柄から変化しました。色は一色で染め、遠くから見ると無地染めに見えます。


紅型…沖縄の染めで、その独特の繊細で鮮やかな色は、陽ざしの強い沖縄の風景のコントラストを表現しているといわれます。


パティック…ろうけつ染めのことで、ひび割れがつくる偶然の模様の面白さが魅力です。文様の種類が豊富なのが特徴です。



墨流し…上品な印象の染めで、水面に墨汁を落として自然にできた波紋状の模様の写しです。ひとつとして同じ模様を染めることのできない味わい深い柄です。


紫根…岩手の草木染めの一種で、紫草の根を煎じた液を染料として染めたものです。天然の染料の味のある紫色と、絞り染めの柄が融合した独特な染め織物です。


辻が花…室町時代に流行した優美な絞り染めで、桃山時代にはなくなってしまいましたが、昭和時代に辻が花に魅せられた久保田一竹により、絞りの部分が復元されました。


鹿の子絞り…総絞りにした模様が小鹿の背のまだらに似ていることが名前の由来で、目結、纐纈ともいわれます。日本での鹿の子絞りの原型は奈良時代にさかのぼり、独特の立体感と、見る角度により表情が異なるのが特徴です。

塩瀬や羽二重、綸子、縮緬などの白生地に、上記にあげたような色や柄の染めが、施されます。

お問い合わせ・無料査定はこちら

無料査定のお申込みはこちら