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お太鼓結びの由来

2015.8.16

お太鼓結びの由来


着物は、帯の結び方によってガラリと着姿が変わり、同じ着物でも帯によって、様々に楽しむことができます。 ここでは、基本的な帯結びである「お太鼓結び」について、その由来などについてふれていきます。


お太鼓結びは、現在では着物を着る際の、最も一般的な帯の結び方ともいえますが、意外にもその結び方が生まれたのは比較的最近のことです。


江戸時代後期の文化14年(1817年)、江戸の亀戸天神の太鼓橋の完成記念のお祭りのときのことですが、深川の芸者が帯の後ろの部分を少し持ち上げて、それがずり落ちてこないように紐で留め、胸元に小ぎれをあしらって、しゃなりしゃなりと太鼓橋を渡りました。

それが、「太鼓結び」の由来だといわれています。この結び方は、歌舞伎役者 瀬川路考が流行らせた「路考結び」を発展させたものとされています。


この時の帯結びが、太鼓橋に似ていたので「お太鼓結び」といわれるようになり、このお太鼓結びは、画期的な新鮮な帯結びとして、瞬く間に大流行しました。 他には、太鼓橋の形になぞられて帯枕を入れ、帯の形をふくらませたからという説もあるそうです。


江戸末期に深川の芸者さんの間で考案されたお太鼓結びですが、その後、一般の女性の間に広まったのは明治40年(1907年)頃からだそうです。


江戸時代には帯の結び方が200種類以上もあったといわれますが、帯締めや帯揚げを用いて、帯が体にフィットしたことや、緩みや形崩れが比較的少なかったことなどから、「お太鼓結び」が、淘汰されずに現代まで続いてきたといわれます。


お太鼓結びは江戸時代末期に考案されたので、江戸時代の浮世絵などをよく見てみると、お太鼓結びされていないものがほとんどです。江戸時代以前のテレビドラマなどで、お太鼓を結んでいるのをみかけたら、これは間違いということになります。そういう観点で歴史ドラマの着物をみてみるのも面白いかもしれませんね。

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