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10月に着る着物は?
2015.10.11
10月に着る着物は?
着物選びには季節感が大切ですが、秋の声の聞こえてきた10月にはどんな着物を着るのがよいでしょうか。
学校の制服などでの衣替えは、一般的に10月から冬服に切り替わりますが、この衣替えの概念は、中国に倣い、平安時代の宮中行事から始まったといわれています。
そして、江戸時代には、武家の衣替えが幕府から言い渡されるようになり、明治以降では、役所や軍人、学校などの制服などの衣替えが制度化されました。
現代の着物の世界での基本的な衣替えは、10~5月が裏地のあるもの、つまり袷(あわせ)、6月と9月が裏地のない単、7月、8月は、盛夏の着物の薄物といわれています。
袷は、表地に裏地を縫い合わせた仕立て方法で、洋服でいうなら長袖のイメージです。
袷の季節の10月の生地は、袷にふさわしい艶があり滑らかな絹地の綸子が好まれます。
色は落ち着きのある朱系統、黄系統、ゴールド系の入った温かみのある色や小豆色、紫色などが多く、10月の秋の色としては、昔から木の実の色が好まれてきました。
着物の柄は、圧倒的に菊が多く、銀杏、紅葉などの草花なども秋をイメージしやすく好まれます。また、宝尽くし、有職紋などの格調高いものもよいとされています。無地の着物の場合は、裾回しの模様で季節を表すのもよいですね。
10月は、塩瀬月とも呼ばれ、袋帯・名古屋帯ともに塩瀬の染め帯が使われます。着物同様、菊の花を手書きで描いたものが多くみられ、着物と帯をお揃いにして楽しむのも素敵です。