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反物について

2015.12.11

反物について


反物とは、大人の和服などの一着分である一反に仕上げられている布地で、普通は巻物状に丸巻きにされたものを反物と呼びます。

また、長着一枚部に必要な用尺を着尺といいますが、羽織に仕立てるのを前提とした着尺より短い反物を「羽尺(はじゃく)」といいます。


布の単位は「反」で表され、一反はおおよそ一人分の着物が作れる量です。着尺地二反分の生地を「疋(匹)」といい、単衣と羽織のアンサンブルなどを、共布(同じ生地)で作るのが定番だったひと昔前の時代は、反物が量産されましたが、現在はそういった需要が減ってしまい、羽尺、疋ものは少なくなりました。


反物の幅には意味があって、反物の幅の約二倍までがその反物で仕立てることのできる最大の裄となります。

すなわち、反物の幅は、仕立てることができる可能な着物のサイズの上限を意味しています。


反物の幅など、仕立てに用いる着物の寸法は、尺貫法による「鯨尺」の単位を用いています。

「鯨尺」の単位で一尺は約37.9cmで、この「鯨尺」という言葉は、鯨の髭で物差しを作ったことに由来しています。

現在の「鯨尺」は、明治時代の度量衡法によって25/66mとして定められたものです。着物をお召しになるなら、着物は「鯨尺」で仕立てられているので、メートルよりも、「鯨尺」による寸法を覚えて置くと便利です。


鯨尺による単位と長さ

一丈=約3m79cm

一尺=約37.9cm

一寸=約3.8cm

一分=約3.8mm


反物の幅・サイズ 着尺用の反物の標準幅は一尺を基本とし、これを「尺幅」といいます。

反物の段階で、生地の用尺が足りるかどうかは、着物の桁の長さが取れるかどうかで判断されます。

基本的には、布同士を縫い合わせる縫い代が、片方につき三分(約1.1cm)必要なので、計六分(約2.3cm)を反物幅から差し引いた長さが桁の最大幅となります。


身長175cm前後までの主な標準サイズ(目安)

反物幅:一尺五分(約39.8cm)

長さ:三丈三尺(約12.5m)

裄:一尺九寸八分(約75cm)


一般的な着尺地は12.5cm前後の長さを基本として織られていますが、身長185cm以上の場合、体形により13cm以上の生地を必要とする場合があります。大柄な方は、生地の余裕はほとんどなく、着物に仕立てた後は、反物の端のラベルが貼ってある部分が残る程度ですので、その点を考慮した上で反物を選ぶ必要があります。


※反物の端のラベルが貼ってある部分、すなわち反物の織り始めの部分は、「カシャゲ」といいます。

伝統的工芸品の結城紬や大島紬などの反物のカシャゲには、写真のような証紙や合格証のラベルなどが貼付されています。

例えば、本場結城紬の反物のカシャゲであれば、更に本場結城紬の登録証紙などが加わり、割印が押されます。


【着物買取いわの】では、反物の買取も行っておりますが、こうした証紙や合格証の有無が、買取の際の重要なポイントとなります。また、反物から着物へ仕立て際にも、反物のカシャゲ部分は着物といっしょにおさめられますので、捨てずに必ず保管しておきましょう。

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