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和装コラム~着物コーディネート(冬)

2018.12.1

涼しい季節が終わり、寒さの厳しい冬が訪れます。

この季節になると動物や虫たちは暖かい春に向けて冬眠に入ります。

私たちも寒い時期は動物と同様冬眠に入りたいですね。

しかしそれは難しいので寒い日に着れる着物のコーディネートや文様をお話し致します。






冬に合う着物の文様

春や夏のような草花の美しい季節とは異なり、花が散り色鮮やかな季節が終わります。

この時期には鮮やかな帯や着物を着る事で冬の景色に映えます。



万寿菊


万寿菊は観賞用に作られたマリーゴールドの一種で、和名が万寿菊、英名はアフリカンマリーゴールドと言われています。

万寿菊は、普通の菊に比べて形が饅頭のように丸い事から饅頭菊とも呼ばれています。

寿命の長久を祝って「万寿」という字がついている事から長寿の意味を持ち縁起の良い文様とされていました。

可愛らしい万寿菊は江戸時代に文様化され、現在でも着物や帯などに描かれています。

万寿菊の描かれた着物はカラフルな色合いが多いので、帯をシックな物にすると引き締まります。




松or松竹梅


松は日本に昔からある植物ですが、世界で見ると北半球に広く生えています。

日本では馴染のある松ですが、松が日本で見られるようになったのは飛鳥時代からと言われ、それまではブナ科の植物であるカシなどの広葉樹が窯の燃料や建築に使われました。

それらを多く伐採した事で数が減り、代用として今まで注目もされなかった松の木を窯の燃料に使った所、すぐに火がつき良く燃えた事から以降松が使われるようになりました。

松は常緑樹と言って一年中色が変わらず樹齢も何百年と長い事から、長寿や不老不死の意味を込めて吉祥の木とされています。

また、長寿の松、繁栄の竹、気高さの梅が含まれた松竹梅も室町時代から縁起の良い文様として用いられるようになりました。

松や松竹梅は単体で描かれる事もありますが、御所車や扇子、鶴など縁起のよい文様と組み合わせる事もあり、全体的に豪華で華やかなデザインとなります。

この着物には金や白の豪華な帯にすると華やかな印象を与える事が出来ます。




菊の花と聞くと、お葬式用に飾られる花で縁起が悪いというイメージを持たれる方が多いと思います。

確かに菊はお葬式などに飾られる代表的な花ですが、菊にも様々な種類があり、基本的にお葬式に飾られている菊は輪菊と小菊という花で、それ以外の菊はお葬式などでは飾られません。ですので、全ての菊に対して縁起が悪いという事はありません。

また、昔には冠婚葬祭で菊を飾っていたそうですが、時代の流れと共に冠婚で菊を飾る事がなくなり葬祭のみで飾るようになった事から、いつしかお葬式の花と呼ばれるようになってしまいました。

日本天皇の紋章として現在も用いられている菊は、元々中国原産の花で日本に伝わったのは平安時代と言われています。

中国では幼き子供が菊から垂れた1滴の露を飲んだ事で不老不死をなったという言い伝えがあり、この話が日本へも伝わった事で菊は長寿の象徴となり縁起の良い文様となりました。

菊の着物は、細かい菊が描かれている華やかなものと、大きな菊がポイントで描かれているシックな着物に分けられます。

シックな着物には金などの帯で、華やかな着物にはピンクや白などの可愛らしい帯を付けるとバランス良くなります。


南天


南天は、1年中葉が付き成長しても3m以上伸びる事が少ないので常緑低木植物と言われています。

南天の実はともし火のように赤く、茎の根本がそれぞれ分かれ竹のようにまっすぐ伸びている事から南天燭や南天竹と呼ばれていましたが、日本に伝わった際にその言葉が省略されて現在の南天という言葉に変わりました。

また、南天の語呂合わせで難転(難を転ずる)という言葉に通じる事、そして南天の実、葉、樹皮、根には有毒成分が含まれていますが、正しい調合を行えば薬としても用いられる事が出来るので縁起木(縁起ものの木)として大切にされてきました。

難転という語呂合わせから縁起の良い吉祥文様とされている南天文様は、小さい実が細かく描かれているので可愛らしい着物が多いです。

その為、南天文様を邪魔しないよう帯はあまり派手にせずシンプルなもので合わせると良いでしょう。





梅は春になると桜よりも早く咲く事から、春の訪れを告げる花と言われ、梅の実は食用として現在多く食べられています。

元々は中国原産の花ですが、原産国の中国では花よりも梅の実の方が薬として重宝されていて、それを遣唐使が日本に持ち帰った事で奈良時代より前に梅の実が薬として日本にも伝わったとされました。

戦国時代には武士たちが梅の実を解毒剤として食した事から、梅の実は食用としても広まり、また梅の花の可愛らしい形や華やかな香りが人気となり観賞用として愛されるようになりました。

梅は2月という寒い季節に花を咲かせるので忍耐力や生命力のある花という事から長寿の象徴とされ、松竹梅という縁起のよい文様にも含まれています。

可愛らしい梅文様は振袖などに多く用いられ、着物の色は文様を映えさせる為黒や白が多いです。

梅文様の着物を着る際は、色がごちゃごちゃしないように帯をシンプルにしましょう。また、梅は1月から2月にかけて咲く花なので、着る際も1月や2月から着始めましょう。


冬に着る着物



秋が終わると寒さの厳しい冬に入ります。

洋服ではニットの上にコートやダウンを着て、靴はブーツなどを履くなど防寒対策をとりますが、着物になりますと防寒対策が異なります。

まず着物で防寒対策と言えば、羽織やストールが思い浮かぶと思いますが、まず着物を着る前に着る肌着の素材を変える事から始めましょう。

夏に着るような薄い肌着ではなく、保温吸湿性の高い長そでや七分袖の肌着を着れば風を通さず暖かくなります。

肌着の次の防寒対策は、着物の上に着る羽織、ポンチョ、ショールや、首に巻くストールです。

羽織、ポンチョ、ショールは着物の風通しを防ぎ、ストールは着物で髪型をアップにする事から冬場は首回りが寒くなるのでファーの付いたストールなどが温かくていいでしょう。

次に防寒対策が必要なのは足元です。

着物は裾が開いているので足元から冷えてしまうとどんなに上半身を防寒対策していても体全体が冷えてしまいます。

足元の防寒対策には、肌色のレギンスやスパッツ、着物の柄に合わせたステテコなどを身につけましょう。また、冬用の暖かい生地の足袋も売られていますのでレギンスなどと一緒に着用しましょう。



着物の買取について


いわの美術では、着物、帯、和装小物のお買取りを行っております。

ご自身で着なくなった着物、お母様が着ていた着物、祖母の着ていた着物などございましたら捨てる前にいわの美術にご相談下さい。普段に着られていた着物ですとまとめての評価が多いですが、作家物や織元のある着物ですと、1点でお値段が付けられるものもございます。

着物の知識がなくどういう品物がわからないという方はご相談頂ければお客様に合った買取方法をご提示致します。


弊社いわの美術では、着物以外にも骨董品アンティークのお品物をお買取りしております。

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