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夏帯の生地

2016.7.26

夏帯の生地


帯は大きく夏生地の帯と冬生地の帯にわけられますが、今回は、6月から9月までの単衣仕立ての着物を着る時期に用いられる夏帯の生地について説明します。

暑い夏を少しでも涼しく過ごすために、夏帯は織り目が粗くて透け感がり、見た目にも涼やかな印象です。そんな夏帯に用いられる代表的な生地は次のとおりです。


 

絽塩瀬(ろしおせ)


夏の帯地の代表的な生地として好まれる、塩瀬地に絽目を通した帯地です。ドレッシィーな地風で、夏を通して使うことができます。


段絽(だんろ)


絽塩瀬の中でも、絽目を広くとったもので、単衣用の染名古屋帯の帯地として使用されます。


献上博多帯(けんじょうはかたおび)


通気性のよい、しっかりとした帯地で、袷にも用いられますが、夏を通して着用できる、着用時期の長い帯です。


紗献上(しゃけんじょう)


献上博多帯を紗織にした夏帯の帯地で、夏中着用できます。袋名古屋帯や、半幅帯として織物や小紋、浴衣などにあわせられます。


羅(ら)


通気性に富み、目の粗いのが特徴の羅は、単衣のきものに用いられることはなく、帯地に用いられます。目が粗いので、透け感と洒落感があり、盛夏向きの帯地です。


絽綴(ろつづれ)


綴地に絽目を通した、しっかりとした織りの帯地です。盛夏を含め、夏中使用できます。


絽(ろ)


絽目を通した織りの帯地です。絽目の間隔によって透け感が異なります。


紗紬(しゃつむぎ)


紗紬は、薄手の夏向きの紬の総称として使われる言葉です。地風は多様で、着用時期は透け感の強弱で判断します。


生紬(なまつむぎ)


精錬しきらない紬糸で織る、張りのある織物で、着物にも帯地にも使用されます。着用時期は透け感によって判断します。


紗(しゃ)


夏帯の主流に使われる帯地です。透け感は多様なものがありますが、透け感の強いタイプは盛夏向きです。


麻(あさ)


ざっくりとしたタイプから繊細な上布まで様々あります。盛夏を中心に着用しますが、地風により判断します。


植物布(しょくぶつふ)


野趣と涼感を兼ね備えた植物繊維のもので、芭蕉布、葛布、しな布、藤布など多様です。ざっくりとした質感のものが多く、盛夏を中心に着用され、きもの通に人気の帯地です。

※しな布…シナの木、大菩提樹の樹皮からとった繊維を糸にして、織り上げたもの。

※藤布…藤の蔓の皮を削ぎ、さらに表皮を除いた中皮を利用し、十ほどの工程を経てつくられた糸を使用して織り上げたもの。

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