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秋田の染織物~秋田八丈

2016.5.14

秋田の染織物~秋田八丈


秋田には、江戸時代寛政年間(1789~1801年)頃から、伝承されている秋田八丈という独特の染織物があります。


美しい渋みのある独特の黄色や鳶色の秋田八丈は、
藩の機業振興策もあり、発展していきましたが、大正時代以降、秋田八丈は衰退してしまいます。

そして、秋田八丈、最後の一軒であった「滑川機業場」も廃業となり、一度は途絶えてしまいますが、平成18年に「ことむ工房」という工房として再び蘇り、現在、伝承の秋田八丈の製作が再開されています。


秋田八丈は、北秋田市で生産される草木染めの絹織物ですが、日本で唯一ハマナス染を主としています。秋田の海岸に自生するハマナスの根で染める鳶色が秋田八丈の最大の特色ですが、他にカリヤスやヤマツツジを加えた黄色も用いられます。


ハマナスは、バラ科の小灌木で、厳しい北国の長い冬の風雪に耐え、雪の下に深く根をはって成長します。このハマナスを用いた秋田八丈は、洗う度に色艶が増し、また、日光やアルカリに強いため、その堅牢性が高く評価されています。


秋田八丈の文様の特徴は、縞柄の文様にあります。中には無地物もありますが、そのほとんどが縦縞か格子縞です。 秋田八丈は経糸・緯糸ともに生糸を用いたさらりとした地風と、草木染による独特の色合いが魅力の織物です。


田八丈は、創意と工夫による手織り技術をいかした格調の高い伝承の絹織物として、昭和55年に秋田県の無形文化財にも指定されています。


秋田畝織

秋田八丈より歴史が古いとされる絹織物に秋田畝織があります。江戸時代後期に、石川龍右衛門の職技指導によって織られたのがはじめと伝えられています。

大正時代に一度絶えましたが、「滑川機業場」の社長であった故・滑川晨吉(生前は秋田県・無形文化財保持者)が昭和20年代に復興しました。横畝が特徴で、昔は紋服地や羽織裏などが主でしたが、後に女性用の着尺にも用いられました。

滑川晨吉が亡くなってしまい、秋田畝織は再び途絶えてしまったため、滑川晨吉の手による秋田畝織は幻の織物として稀少性の高いものとなっています。現在は、前述のことむ工房によって秋田畝織再興への努力が重ねられています。

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