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日本の伝統文様・有職文様

2016.4.13

日本の伝統文様・有職文様


有識文様とは


有職文様の「有職」とは、宮中や公家の官職や儀式、装束や調度品を指します。


元来、有職(ゆうそく)とは、有識(ゆうしき)のことを指します。唐(中国)の制度を倣って始まった日本の律令政治においては、知識者や経験者を有者として、待遇していましたが、次第に官職として取り上げて位置づけるようになり、有者の職分という意味で、有の言葉が使われました。


古来、日本では聖徳太子の「冠位十二階」をはじめとした律令政治において、位に応じ装束の色が決められていました。


平安時代に入り、藤原時平が”天皇の朝服の綾文と、臣下のものとは区別すべき”と「西宮記」で述べたとあり、その後、天皇・皇族、臣下の装束は、色だけでなく、文様によっても分けられることになりました。


禁色(きんじき)とは、朝廷において、官人の官位等に応じて禁じられた服装で、9世紀半ば以降、特定の官人に上位の衣服を許す「禁色勅許」が出されるようになり、特権として重視されました。


また、従来の色に対するこだわりは、平安時代の絵巻物にみられる十二単のような「襲色目」として継承されました。


※ 襲色目(かさねのいろめ)とは、平安時代に公家の服飾の中から生まれた、四季折々の変化を色彩として感じ取ってきた日本人が作り上げてきた配色法です。


季節の様相を感じ取って色を重ねるこの配色方法は、もともと袷仕立てされた衣服の表地と裏地の配色で、以後、公家の人々の装束に欠かせないものとして、近代まで伝えらました。


有識者の職分という意味で使われた「有職」という言葉ですが、こうした背景から、朝廷や公家の礼式・官職・法令・年中行事を司る有職を「有識故実」、それに用いる文様を「有職文様」と呼び、発展していきました。


有職文様は、装束だけでなく、調度品や建造物にまで広く用いられています。有識文様の中には、中国大陸から伝来したものありますが、平安時代以降に独自に変化を遂げ、和風化して現代まで伝えられてきました。 

特別な文様であった有識文様は、単独で仕様されることも、他の文様と複合されて用いられることもあり、中には時代の経過により使われなくなっていったものもあります。

天皇の衣装に用いられた桐竹鳳凰文や、皇太子の鴛鴦丸、高位臣下の雲立涌をはじめ、浮線綾、轡唐草など、多くの文様が今も有職文様として継承されています。



主な有職文様



動物文…桐竹鳳凰麒麟、鳳凰、鶴、鳳凰、向蝶丸、亀甲、鴛鴦など

丸文…八藤、又木形、藤巴など

菱文…横菱、立菱、花菱、幸菱、松皮菱など

襷文…三重襷、鳥襷、撫子襷、雲襷など

立涌文…立涌、雲立涌、波立涌、藤立涌、松立涌など

唐草文…菊唐草、桐唐草、桐竹唐草、丁字唐草など

繋文…七宝繋、麻葉繋、分銅繋、青海波など

蜀江文

小葵文 など

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