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沖縄の伝統織物~久留米紬

2016.4.19

沖縄の伝統織物~久米島紬


沖縄の伝統織物


沖縄は、伝統的染織物の宝庫ともいえる沖縄は、俗に工芸染織列島とも呼ばれています。

沖縄本島においては北部、中部、南部、それぞれに異なった種類の染織物があり、さらに本島周辺の離島の島々にも、それぞれ固有な織物が存在しています。


沖縄の織物は多種多様で、よく知られているものだけでも、芭蕉布、読谷山花織、宮古上布、琉球絣、八重山ミンサーなどがあります。その技法や模様、色使いなども、それぞれ独自性を持ち、生活に密着した中で、織り手である職人たちの努力によって技術が継承され、発展してきました。


こうした多様な沖縄の織物は、「平織」と「紋織」の2種類に大別することができます。

平織…たて糸とよこ糸を1本おきに交差させながら織っていく手法(芭蕉布、琉球絣、久米島紬、宮古上布など)

紋織…たて糸かよこ糸のどちらか一方を浮かして織る手法(首里花織、読谷山花織、与那国花織など)


今回は、沖縄の伝統的な平織の織物のうち、代表的な久米島紬を紹介します。



平織・久米島紬


植物染めや泥染めによる色調に大きな特色のある久米島紬は、本土では琉球紬とも呼ばれ、高価にもかかわらず、高い人気を誇っていた織物です。

久米島紬の起源は16世紀、堂之比屋という人物が中国の養蚕技術を学び、絹の粗布を織ったことにあるとされています。


17世紀に入り、王家の茶道職を務めていた宗味入道という養蚕に明るかった人物が、琉球王府の命により、久米島に派遣され、より高度な養蚕と製糸の技術を島民に伝授しました。

さらにその数十年後、薩摩の酒匂四郎右衛門が久留島に派遣され、八丈紬の技法をもとに装飾や織りの方法を指導するなどし、現在の久留島紬の基礎がつくられました。


一方、沖縄は1609年に薩摩より侵略を受けてからは、人頭税という高額の税が課せられ、島民はその租税を紬で納めなければならなくなり、260年以上もの長きにわたり、久米島の人々は養蚕や紬づくりといった過酷な労働と貧困に苦しめられたという側面ももっています。


こういった歴史をもつ久米島紬ですが、その美しい色調は、日本の絣の中でもトップクラスに属しています。

久米島紬は、琉球王国時代以来の伝統技術を保ち、製法はすべて手作業によって行われています。

また、模様選定や、草木染めと泥染めといった染付け、織りの工程を基本的に1人で行います。


染色はグールー、ティカチ、クルボー、ヤマモモ、ユウナなどの自然由来のもので染められますが、まずグールー、ティカチの順で染め、次に泥染めが行われます。これを繰り返すことで久米島紬特有の赤みがかったこげ茶色に染まります。黄色の染色にはクルボーとヤマモモ、灰色の染色にはユウナが使われます。


久米島紬は、昭和50年には、伝統工芸品として通産産業大臣の指定を受けており、昭和52年には県の無形文化財に指定、さらに平成16年には国の重要文化財として指定されています。


久米島紬事業協同組合では、統一証票「久米島紬事業協同組合証票」で、その品質を証明しています。

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