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着物・帯の染の技法~友禅染

2016.1.25

着物・帯の染の技法~友禅染


着物や帯の染の技法は多種多様ですが、友禅糊を用いて、華やかな模様を染める日本独特の染めの技法が友禅染です。

本来、友禅染は、手描き・手彩色でしたが、明治時代以後は型紙を用いる型友禅が多くなりました。


友禅染は、江戸・元禄時代に京都に住んでいた扇絵師の宮崎友禅斎が考案したと伝わっており、友禅染の呼称はそこから生まれました。

着物にも帯にも使われる友禅染の制作工程は、ほぼ同じですが、宮崎友禅斎が開発した友禅糊(糸目糊)は、もち米とぬか、塩を混ぜたもので、その友禅糊を使って防染することで、華やかな多色染めの模様が表現できるのです。


友禅染は染料のにじむのを防ぐ役割をする友禅糊と、筆や刷毛を用いて、絵を描くようにして染めます。

友禅染の色挿しに用いられる染料は、基本色をもとにアレンジし、多い時は30色もの色を用いるそうで、手描き染めの技術を巧みに生かして、花鳥風月や四季の草花を思いのままに多彩繊細に表現できることに特徴があります。


染料を染め付けていく「色挿し」の工程が終わると、「蒸し」という工程をして、生地に染料を定着させます。そして、「地染め」呼ばれる生地全体の地の色を染める工程を行い、その後「友禅流し」で有名な、糊や余分な染料を落とす工程が行われます。

雪国の金沢などでは、綺麗な雪解け水にさらすこともありますが、近年は、河川の汚れなどから、ほとんどが人工の川(施設)で行われているそうです。


一品一品絵を描くようにして染め上げられた手描き友禅染と刺繍、絞り、摺箔の技法とあわせた振袖や留袖訪問着などは、世界に誇れる日本独特の味わいを表現しています。


 

三大友禅染


色の鮮やかさが魅力の友禅染の代表的なものには、京友禅、加賀友禅、東京友禅があり、この三つが三大友禅染と呼ばれています。図柄を実際に染める技法自体は京友禅、加賀友禅、東京友禅とも、ほとんど変わりはありませんが、産地により個性があります。


京友禅

貴族・公家が住む京都で生まれた京友禅は雅の世界を表現した金箔などを使った豪華絢爛さが特徴ですが、配色には神経が使われ華やかさの中に上品さがあります。

京友禅は、古風な有職模様や琳派模様など高度に様式化された文様を得意とします。京友禅は、京都の伝統工芸品ですが、京都友禅協同組合に所属の組合員が染める京友禅には、伝統証紙と、京友禅証紙の2種類の証紙が用いられています。


加賀友禅

加賀友禅は、京で生まれた京友禅の技法が、後年、宮崎友禅斎本人により加賀百万石で有名な加賀藩(現在の石川県)に持ち込まれ、独自の発展を遂げたものです。 色は、臙脂、黄土、古代紫、草緑、藍の加賀五彩といった深みがあって豪奢な色調が基調です。

均一に染めずに濃淡で表現するぼかし染や、木の葉が虫に食われた様子を表現する虫食いの技法など、京友禅とは対照的に、写実的・絵画的な表現を得意とします。加賀友禅には、他産地の類似品防止と高品質を保持するため、製品には必ず加賀染振興協会発行の証紙と、伝統証紙が貼付されています。


東京友禅

江戸の粋と表現される東京手描友禅は、江戸友禅ともいわれます。東京友禅は、江戸時代の町人文化を背景とした長屋の風景や竹林などの図案を用い、渋く落ち着いた色合いの中にも、洒落感が漂う作風です。

京友禅や加賀友禅では描かれないような自由で 大胆な図案が描かれます。東京手描友禅は、経済産業大臣指定伝統的工芸品で、東京都知事指定伝統工芸品です・



友禅における重要無形文化財保持者(人間国宝)

森口華弘

森口邦彦

三代田畑喜八

木村雨山

中村勝馬

上野為二

山田貢

羽田登喜男

田島比呂子

ニ塚長生 等

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