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和装小物の選び方~帯留め

2016.2.8

和装小物の選び方~帯留め


帯の真ん中に小さいながらも、存在感のある帯留め。洋装と異なり、和装ではコーディネイトが限られがちですが、ちょっと変化をつけたい場合に、ワンポイントで、帯のアクセサリー”帯留”を使うと、アクセントになって着こなしの幅を広げることができます。


帯留めは1800年ころ、江戸時代後期に使われていたといわれています。当時、花街の芸者さん達が、男性の根付や目貫、煙草入れなどの細工物といわれる装飾品を、帯につけていたようです。

明治時代に入り廃刀令がでて、それまで武士の刀の飾り金具などを作っていた職人達が、仕事にあぶれてしまいますが、その腕を生かして、組紐に通す細工ものの帯留めをつくるようになっていきました。


職人の技で、精緻な帯留めの飾り物が生み出され、やがて素材も、鼈甲や七宝なども用いられるようになりました。

江戸時代の高度な職人の装飾技術が使われた明治・大正時代の帯留めは、素晴らしいものが多く残されており、中には、現在ではつくり方のわからない金工技術を使っているつくられたものもあるようです。 


また、開国された明治時代の日本には、外国人も多くなり、日本人と外国人との社交の場も増えていきますが、上流階級の女性が外交の席などで着物を着用する際に、外国人の豪華な宝石のネックレスなどのアクセサリーに相当するものとして、帯留めにも宝石が用いられるようになったそうです。



帯留めの付け方・選び方


帯留めには、様々な素材、モチーフ、技法のものがあり、ガラス、陶磁、珊瑚、翡翠、瑪瑙、琥珀、象牙、鼈甲、蒔絵、螺鈿、貝、カメオ、水晶、ダイヤモンド、真珠、ルビー、エメラルド、サファイア、金、銀、プラチナ、七宝、木彫、象嵌、トンボ玉など様々で、工芸品が多用されます。


帯留めの付け方は簡単で、帯締めを締める段階で、巾が10~12mmの三分紐に通して、前で結び、結び目は後ろに回して、お太鼓の中に隠してしまえば完成です。


帯のアクセサリーである帯留めにはたくさんのモチーフがありますが、選ぶ時には、季節感を演出して楽しみましょう。

帯留めのモチーフには、季節を問わず通年使えるものもありますが、季節限定で使ったほうがいいものもあります。


お正月、新春を祝う意味で、鶴亀・宝船・獅子舞などもモチーフの帯留めを使ったり、3月3日のひな祭りにあわせて雛人形の帯留、梅雨の季節には蛙の帯留を用いるなど、帯留めのモチーフで日本の四季を感じさせることができます。

近年では外国のハロウィーン行事も定着していますので、着用シーンによっては、カボチャや蝙蝠の帯留めを着物や帯の柄と絡めて選んでも 楽しいかもしれません。

粋な意味も込めて、冬のモチーフ雪華紋をあえて夏に使い、涼を演出するといった使い方をすることもできるそうです。

また、帯留めの素材では、ガラスや翡翠、水晶は夏、珊瑚は冬に用いるといったことが一般的になっています。


帯留めは基本的にはアクセサリーとして、カジュアルなシーンで使うのが一般的ですので、パーティや同窓会などには問題ありませんが、喪服などには帯留を使うのは避けたほうが無難です。

法事なども場合は、翡翠・真珠など数珠に用いられる素材であればよしとする考え方もあるようですが、帯留めを選ぶ時には、TPOを考慮する必要があります。


結婚式などの礼装の場合は、訪問着や振袖に真珠や宝石など、格が高いとされる素材や、象牙や蒔絵の凝った細工ものは可とされています。お祝いの席ですので、帯留めのモチーフは「末広」など吉祥文様のものが喜ばれますが、親族側で留袖や訪問着に帯留めを付けるのはNGとされています。


帯留めがあまり好まれないシーンとしては、お茶会の席があげられます。侘び寂びを重んじ簡素を旨とする茶会では、茶道具の美しさを観賞する場でもあり、また、茶道具を傷つけないといった意味からも、ふさわしくないとされています。


また、アンティークの帯留めは高価なものもたくさんありますが、観賞用でなく、着用するために購入する際は、帯留めの金具の紐を通す穴が小さかったりするので、注意しましょう。

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